コミュニケーションの障碍

 カー君がDr.によって自閉症と診断されたのは小4の終わりで、それと同時に言語療法を再開しました。

(小学校入学前まで、別の病院で言語療法をしていました。)
1~2ヶ月に1回ペースで通い、2年後、中学入学時に必要な診断書のために、再度検査をしてもらいました。
療育に通ったことで生活能力は伸びていました。にもかかわらず、言語理解の数値が全く上がっていませんでした。
その時思ったんです。
「カー君の障碍はそこなんだな」って。
障碍の核なんだから、本人の努力でどうにかなるものではなく、できるようになるのも限界(かなり低い)があるわけです。

そもそも自閉症の特徴として「コミュニケーションの障碍」が挙げられているので当たり前のことなのですが、それを理解していない人たちがものすごーく多い。
カー君も多少分かりにくいものの、自分の言いたいこと=発信については、しっかりと伝えてきます。
話すことに問題がない人たちの中には、興味のあることを雄弁に語ることがあります。
でも、だからと言って、こちらの言っていることは理解できないか、意図通りに伝わらないことがとても多いのです。

『発信と受信の凸凹』
それこそが、コミュニケーションの障碍であり、それを理解しないと自閉症の人との関係は築けません。
そして、それを理解しない人は、自閉症の人を支援する仕事をしてはいけません。(と、私は思う)


「子供のため」は誰のため?

少し前に書いた「あんな大人になって欲しくない」と思った障碍者像は、一昔前は美しい親子愛だったのかもしれません。
でも、、、
 自分では何も決められない。
 自分の意志で動けない。
 親と一緒じゃないとどこにも行けない。
 親の言うとおりにしかできない。
そして、親は死ぬまで大人になった(おじさんおばさんになった)子供の心配をして、自分より大きくなった子供を抱えて、自分の人生の全てを捧げて生きていく。
 生んだ親の責任だから?
 そんなことあるわけない!
例えば、、、働く能力がある人でも、お給料の管理は親がしているのは珍しくないらしい。
どうしてかと問えば、お金の計算ができないからとか、無駄遣いさせたくないとか、きっとそんな理由だろうと思います。
でもね、自分に立場を置き換えて考えてみてください。
そんなことされて嫌じゃないでしょうか?
一生懸命働いて得たお金がいくらかも知らず、自分のお金なのに親にもらわないと使えないって、有り得なくないですか?
親の気持ちは「子供のため」だろうけど、それは社会人=大人を子ども扱いしているということです。
「人の嫌がることをしてはいけません」と子供を叱った親が、子供の嫌がることをしているということです。
障碍のある子を一生懸命育ててきて、
それに自信があるのならば、
大人になった子を信じて、大人の生活をさせてあげて欲しい(自分で決めて、結果に責任を持つ)。
もし自信がないのであれば、
親だけで抱え続けるのではなく、第三者の力を借りてください(握りしめている手を放す)。
親の「良かれと思って」は、子供にとっては「余計なお世話」なことが多いって、それは大人になった自分が一番よくわかっているはずです。

つみきメールから

今月発行の『つみきメール』の報告欄担当だったのですが、
ランチ定例会の報告ということで、それぞれが思いのままにしゃべり倒した4時間をまとめるなんてことは無理‼️
なので、その日に自分が話したことを踏まえつつ、伝えたいことを書かせていただきました📝
できれば会員だけでなく、学校の先生や支援事業所の職員や、障碍のある子(人)に関わる全ての方に知っていてもらいたいことです❣️
カー君は成長に従って起こる問題をことごとく外しませんでした💦
そして、たくさんの人に助けてもらってそれを乗り越えてきました。
だから、今のカー君がいます❗️
今のカー君だけを見て「特別」だと思わるのは心外です。
何もしていないのに「柿木さんのようにはできない」と言われるのはもっと心外です。
私は、どちらかと言うと「あんな大人にはなって欲しくない」という思いで、どうしたらそうならないか?を考えてきました。
これからの人たちに「あんな大人になって欲しい」のモデルになれていたら嬉しいです。

2018Piece作品展の作品から

今年で12年目になるPiece作品展。
毎年、書の作品を展示しているカー君ですが、
その年のテーマを決めて書いてもらっています。
過去には、四字熟語だったり、季語だったり、百人一首だったり、花の名前だったり、、、
いろいろとありました。
去年は、カー君のFBの投稿から選んだ言葉を書いてもらいました。
そして今年は、母の大切な言葉を書いてもらいました。

その1
 「幻想と希望はどう違うの」
幻想=現実にはないことをあるかのように心に思い描くこと。
希望=あることの実現をのぞみ願うこと。
(コトバンクより)
かなり前で講師の先生が誰だったかも忘れてしまったのですが、自閉症?発達障碍?の講演会で、
「障碍のために話すことが困難な子に、いつかきっと話せるようになると信じて、ひたすら話すことだけを教えるのではなく、音声意外の言葉を教えて、コミュニケーションできるようにすることが大切」
と言う話で、その言葉を聴いた記憶があります。
(ものすご~くうろ覚えなので、違っているかも~~(^^;)
私なりの解釈です。
幻想とは現実を見ていない理想で、
希望とは現実を見据えた上での願い。
子育ての教訓として考えるなら、
子どもを置いてきぼりにして見ているのは幻想
子ども本来の姿を受け入れて見ているのは希望

ということかな、、、思います。

 その2
これは、FBの自己紹介にも書いている私の座右の銘。
正真正銘、私が考えた私の言葉!笑
最大の手間は、子どもが自立しないこと。
私は私の人生を楽しみたいから、いつまでも子どもの面倒をみるつもりはない。それは、例え障碍があっても。。。
そのための手間は一切惜しまなかった。何より自分の為。。。
そして今がある!
「全てのことに通じますよね」と言われたこともある。
私もそう思う。

おまけ
もう何年前になるか?
新型インフルエンザ騒動の頃から毎日続いている
カー君の習慣!

お金の価値を教える

お金のために働くわけではないけれど、お金を稼ぐことは働くモチベーションのひとつです。
知的障碍のある人が働くことにモチベーションを持つには、お金の価値がわかっていないと辛いかもしれません。
(誰かが行けと言うから行ってる仕事ではなく、自らが働きたいと思って行ってる仕事と言う意味では、果たして知的障碍の人の何割が自主的に働いているのだろうか?)
お金の価値がわかっていないと、お給料や工賃にも興味がないので、いただいても全く喜びません。
そして、そのお給料を自分で管理できないと、それも働くモチベーションにはなりません。

カー君の場合は、小学生(高学年)の頃からお小遣い制のお手伝いをして、欲しいものはそのお金を貯めて買うことから始めました。
が、始める時は家族に反対されました。
「自分たちはそんなにもらってなかった」と言う姉たち。
「お金の価値もわからないヤツにお金を持たせてどうする」と言う父親。
その頃、お年玉とかをもらってもその場でポイッとしていたカー君ですから、全くもって価値がわかっていなかったわけです。
でも、だからこそ、大人になるまでにお金の価値を教えないといけないのです。
だって、カー君には働く大人になって欲しかったから!
初めは100円200円でジュースを買ったりゲームをしたりしていましたが、そのうち何千円のゲームソフトを自分で買うようになりました。
中学生になり、高校生になり、その度に値上げ交渉をされ(笑)、社会人になった今でも、仕事でもらうお給料の他に、家でのお手伝いでアルバイト料を稼いでいます。

母は、カー君が稼いだお金に関しての使い道には一切口出ししません。
買い物に付き合うことはあっても、支払いはカー君がします。
まあ、たまに母がおごってあげることもあります。
(それは、親子ならあって当然のことです。)

本来なら自分が自由に使えるお金を持つような年齢になっても、まだそれができないでいると様々な弊害が出てきます。
 働こうとしない。
 好きなだけ買い物をする。
 買ったのに食べない(飲まない)。
まずは親の財布と本人の財布を分けましょう。
本人の財布に使えるだけのお金を持たせて、支払いはそこからします。
使ったらなくなることを覚えてもらいます。
その中でなら好きなものを買っても良い、でもなくなったらおしまい。

お金の価値を教えるには、お金を使うことを教えるのが先です。
これを逆に認識している人が多いのが現実です。
子どもがある程度の年齢になったら、親の財布から湯水のようにお金を出すのはやめましょうね。

筆談が必要です!

昨日、家に帰るなり、カー君に凹んだ水筒を見せられました。
「どうしたの?」と聞くと、「ケンカしました!」って(-"-)
自己責任なので、自分で買って来させました。
水筒を買って戻ってきたカー君を見ると、腕にかなり広範囲の内出血ができています。
「どうしたの?」って聞くと、「ケンカしました!」って(><)
これはちょっと放っておけない状況のようです。
カー君からは詳細を聞き出せないので、職場に電話しました。
ある程度の状況はわかったのですが、なぜそうなったのか?原因が全くわからないので、職場の方から聞いた情報をもとに、カー君と筆談!
なんとなく原因が見えました。
今日、その筆談の紙を職場に持たせました。
カー君の想いを伝えたいことはもちろんですが、職場でもそれ位の対応をして欲しいな〜と思いまして…。

春だから

この数日、カー君に振り回されています(-"-)
こんな日々は、数年前までは日常だったのに、カー君が本当にしっかりしてきて、生活がほぼ自立していたので、久しぶりのことで、母へのダメージがかなり大きい(><)
そして今朝の寝起き口撃で、とうとう我慢が限界を超えました<(`^´)>
春は変化が多い季節だから、落ち着かなくなるのは毎年のことですが、こう立て続けにいろいろあると、普段の生活がどれだけ楽になっても、やっぱり現実を突きつけられる感じです。
気を抜いてはいけないってことね。。。