お金のために働くわけではないけれど、お金を稼ぐことは働くモチベーションのひとつです。
知的障碍のある人が働くことにモチベーションを持つには、お金の価値がわかっていないと辛いかもしれません。
(誰かが行けと言うから行ってる仕事ではなく、自らが働きたいと思って行ってる仕事と言う意味では、果たして知的障碍の人の何割が自主的に働いているのだろうか?)
お金の価値がわかっていないと、お給料や工賃にも興味がないので、いただいても全く喜びません。
そして、そのお給料を自分で管理できないと、それも働くモチベーションにはなりません。
カー君の場合は、小学生(高学年)の頃からお小遣い制のお手伝いをして、欲しいものはそのお金を貯めて買うことから始めました。
が、始める時は家族に反対されました。
「自分たちはそんなにもらってなかった」と言う姉たち。
「お金の価値もわからないヤツにお金を持たせてどうする」と言う父親。
その頃、お年玉とかをもらってもその場でポイッとしていたカー君ですから、全くもって価値がわかっていなかったわけです。
でも、だからこそ、大人になるまでにお金の価値を教えないといけないのです。
だって、カー君には働く大人になって欲しかったから!
初めは100円200円でジュースを買ったりゲームをしたりしていましたが、そのうち何千円のゲームソフトを自分で買うようになりました。
中学生になり、高校生になり、その度に値上げ交渉をされ(笑)、社会人になった今でも、仕事でもらうお給料の他に、家でのお手伝いでアルバイト料を稼いでいます。
母は、カー君が稼いだお金に関しての使い道には一切口出ししません。
買い物に付き合うことはあっても、支払いはカー君がします。
まあ、たまに母がおごってあげることもあります。
(それは、親子ならあって当然のことです。)
本来なら自分が自由に使えるお金を持つような年齢になっても、まだそれができないでいると様々な弊害が出てきます。
働こうとしない。
好きなだけ買い物をする。
買ったのに食べない(飲まない)。
まずは親の財布と本人の財布を分けましょう。
本人の財布に使えるだけのお金を持たせて、支払いはそこからします。
使ったらなくなることを覚えてもらいます。
その中でなら好きなものを買っても良い、でもなくなったらおしまい。
お金の価値を教えるには、お金を使うことを教えるのが先です。
これを逆に認識している人が多いのが現実です。
子どもがある程度の年齢になったら、親の財布から湯水のようにお金を出すのはやめましょうね。