そんな日でも、何の問題もなく通学する息子。
昨日は、帰りの電車が遅れたようですが、電話がかかってくることもありませんでした。
息子に障碍があるとわかっても、当たり前のように、高校生になったら、電車やバスに乗って、一人で学校へ通わせることに何の疑問も持っていませんでした。
でも、それには、覚えなくてはいけないことや、越えなければいけないハードルが、かなり沢山ありました。
①公共交通機関を利用する
車社会で育った子供たちは、大人になっても、電車の乗り方を知らなかったりするそうで、、、そうなったら、生活できないので(知的障碍者は運転免許を取得できない)、幼稚園の頃から、機会を作っては電車とバスで出かけました。
②一人で目的地へ行く
初めから一人では無理なので、ボランティアさんに付き添ってもらい、地図を見ながら、目的地まで往復する練習、、、こんなものをいくつも作りました。
③電車やバスは遅れることもある
時間のこだわりが強いので、これが一番の難関!最初は、バスが数分遅れるだけで、落ち着かなくなって、怒り始めていました。
何度か経験する中で、バスは時間通りに来ることの方が少なくて、遅れてもいつかは来るってことがわかりました。
進学する学校が決まり、何度か(10回以上しました)通学練習する中で、ラッキーなことに、電車が遅れることも経験。
そして、下校時の電車が遅れたのは、通学を始めて2日目のこと。
「電車が遅れています」と電話がかかってきました。
でもそれから後は、電車が遅れたり、止まったりしている時は、駅員さんに聞けば、どうなるか教えてくれて、待っていれば、動き出すことが多いってことがわかりました。
それが、朝の電車なら、自分で学校の先生に電話をして、「学校に遅れるかもしれない」って、ちゃんと連絡も忘れません。
そんなこんなで、スモールステップでの経験と、小さな自信と小さな安心の積み重ねが、10年かけての目的を達成させてくれたのです。
2009/12/19