KATが「自閉症です!」とはっきり診断されたのが、もうすぐ10歳になろうとしている時。なぜ、そこまで時間がかかったのか?理由はいくつもあるような気がします。
*『自閉症』と言われるのが恐かった。
でも、これは障碍があるとわかるのが恐かったとかいうのではなく、そのことに囚われすぎて、本来の子供の姿を見失うのが恐かった。たとえどんな子であっても、その子そのものを見て育てたかったのです。そしてまた、それを手伝ってくれる方がたくさん周りにいたから・・・。
*子育てを責められたことがなかった。
よく、自閉っ子をお持ちのお母さんは、周りから「育て方が悪い」と責められることがあります。それが、私には一切なかったのです。それはきっと、上の子(二人の娘)がとても“良い子”に育ってくれていたから。(この“良い子”とは、大人から見て“都合の良い子”ではありません。)そのことに気付いた時から、KATもしっかりと育てなくてはいけないけれど、娘たちをより良く成長させることが、私とKATの環境も良くしてくれる。そう思ってやってきました。
*人に恵まれた。
これは、昨日も書きましたが、本当にいろんな人に支えられています。特に、なぜか3年周期で巡り合う、KATを成長させてくれる先生方。幼稚園入園、小学校入学、診断をもらう時・・・その全てに、その先もずっと連絡を取り合えるような、心から信頼できる先生方と巡り合っています。そのおかげで、常に3年周期でギアチェンジをしてきている私たちです。
そして、そんな私たちを理解して、応援してくれる地域の人たち。何かあったら相談にのってもらい、アドバイスしてくれる先輩。KATの様子を見て、報告してくれる同級生のお母さん。買い物に行くKATを見守ってくれる近所のスーパーの人。私たちの周りの人たちは、みんな温かいです。
そんな風に、特別なんの不都合もなく過ごすことができていました。もしかしたら、KATには不満があったかもしれない。「もっと早くなんとかしろよ!」と思っていたかもしれない。でも、それなりに楽しく暮らしていたと思います。
そして、診断をもらったその後は、当然のごとく、自閉っ子の親の道をまっしぐらに突き進んでいます。私がやるべきことは、KATの将来をより過ごしやすくすること。それは、本人の力を付けてやることでもあり、障碍の理解を広め、環境を整えてやることでもあります。