その一つが自転車通学をしていることです。うちの子だって、いきなり自転車通学ができるようになった訳じゃない!!
遡れば、小学校3年生の時・・・補助なし自転車が乗れるようになったKATは、天気の良い日は外へ遊びに行きたいのです。これは子供にしたら当たり前のこと!放課後、私も時間をあけて、一緒に公園へ遊びに行きます。でもね、KATは一人でも遊べるわけで、私はボ~っとその様子を見ているだけなのです。“公園デビュー”とかみたいに、他に一緒におしゃべりできるお母さんがいるはずもなく、せいぜいで30分が限界でした。そしてKATも、私がいると自分の好きなように遊べない・・・見ていると、どうしても危ないこととか、他の子との関わり(好ましくない)に口を出してしまう私です。結果・・・私は疲れる、KATは満足できない・・・良いことは一つもありません。
思いました・・・「小学校3年生にもなって、親付きで公園に遊びに来ている子なんて一人もいない。やっぱりこの状況は変だ!KATを一人で遊びに出してやりたい!!」
そうやってようやくGO!最初は30分から始めたのですが、その30分が2時間に感じる位長かったです。時間へのこだわりが強いKATなので、これまでほとんど遅れて帰ってきたことはないのですが、やっぱり最初は心配でたまりませんでした。(時間は1年生から時計が読めていたので、外出する時は必ず腕時計をしています。)そのうち本人がいつの間にか(本当にこちらが気付かないうちに)、5分ずつ時間を延ばして、今では1時間の外出となっています。そして、私も慣れてくると、そのKATが出かけている時間が貴重な時間となり、「えっ!もう帰ってきたの?」と思うようになったのでした。
それでも、いろいろやってくれたのは言うまでもありません!KATは知らなくても、KATを知っている人は地域にはいっぱいいます。そんな人たちから、「今○○でKちゃん見たけど・・・」「うん、今一人で遊びに行っているから」そんな会話は日常でした。「うちの前の横断歩道を手を挙げて車を停めて、嬉しそうに何回も渡っていたよ」・・・それはちょっと注意してもらった方がいいかも?
ある日、「KATが道路の真ん中の白線の所を自転車で走っている」という情報が入りました(すっごく自閉っ子らしいでしょ?)。それはとても危険行為なので、帰ってきたKATに注意をするも、正直わかるはずがありません。私が現場を押さえられればいいのでしょうが、そんなタイミングよくできるものでもありません。困っていると、ある人がそれをやってくれました!その人の家は大きな道路沿いにあります。外に出ていた時に、KATが道路の真ん中の白線の所を自転車で走ってきたそうです。すぐに「Kちゃん!そんな所走ったら危ない!!車にぶつかるよ!!!」と大声で言ってくれました。そして、そのことをすぐに私に知らせてくれました。帰ってきたKATに、“○○さんに注意された”ことを聞いてから、“何のことを注意されたのか、何をしてはいけないのか”を話しました。やっぱり、“現行犯逮捕”が一番効果があります。というか、そうじゃないと本人はわかりません。その日以来、その危険行為はなくなりました。
そういうプロセスがあって、今の中学校までの自転車通学があります。もちろんそれも、小学校を卒業した春休みに、3回一緒に中学校まで走り、通学路の確認と危険箇所のチェックをしました。自閉っ子の自立活動には、手抜きは存在しません。私のモットーは、『大きな手間を省く為に、小さな手間を惜しまない!』・・・そうやって、KATを育てています。